ESPRIT JAPON
古い順に並び替えNo.170
アメリカ人を魅了する“黄金の出汁”の秘密とは?
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世界中の多様な文化が集まるアメリカ。そこでいま注目を集めているのは、和食の味の要となる「出汁」。欧米では生臭いため敬遠されがちだった魚の出汁。しかし今、ある出汁がアメリカの食通たちを虜にしているという。 その出汁を生み出したのは、福岡県糟屋郡久山町にある「久原本家グループ」。明治26年(1893年)創業の醤油蔵を原点とし、醤油や味噌などの醸造、各種タレや出汁などの製造販売、飲食店経営など多角的に展開する総合食品メーカーだ。 世界が絶賛する出汁、それは水に入れて火にかけるだけの手軽な出汁パックタイプの商品「茅乃舎だし」。あご(トビウオ)が使用されており、深い旨みがあるにもかかわらず臭みがなく、上品な口当たりが特徴。かつお、昆布に続く“第3の出汁”と言われているあごだしは、一体どのように誕生したのか? 九州では一般的な食文化である「あごだし」だが、他の地域ではトビウオのことだということすら知られていなかったため、最初は苦戦を強いられた。「美味しいあごを伝えたい」。その想いで一心不乱に努力を続けた社主の河邉。その努力が実り、焼きあご入りの茅乃舎だしは、その手軽さからは想像できない本格的な味わいにより人気を博しただけでなく、「あご」そのものの認知度さえあげていくことに成功した! これに満足することなく久原本家グループが次に挑んだのは、世界!日本の出汁文化を今度は世界へ広めようとしたのだ。そのために久原本家グループが参加したのは、アメリカで実施された「débutante: New Selection of JAPAN FOODS+」。輸出有望な日本産商品を発掘、海外においてテスト販売を行い、未来の輸出ヒット商品を生み出そうという輸出促進事業だ。その試食およびテスト販売の会場で、何の味付けもしない「茅乃舎だし」を味わってもらった。素材そのままに作られた茅乃舎だしだからこそできる食し方。果たして、アメリカ人の評価は? 福岡から世界へ!そこに秘められた想いとは?久原本家グループの「だし」の全貌に迫る!
No.169
未来の輸出ヒット商品を発掘せよ!
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今回は、日本食材を発掘する一大プロジェクト、「débutante: New Selection of JAPAN FOODS+」の香港編!前回のフランス編では、赤身肉が主流のフランスで、和牛を売り込むべく奮闘するフランスプロジェクトチームを追った。今回、香港プロジェクトチームはどんな戦略で日本食品を売り込むのか!? 香港でも、コロナ禍によって人々の食生活に大きな変化が起きている。これまでは大勢での外食を好んでいた香港の人たち。しかし、その機会は減っていて、家庭での自炊が増えている。ある意味、日本の食材を香港の人たちに知ってもらうチャンスとも言えるのだが…そこには大きなハードルがあった。輸出入にほとんど関税がかからない香港は輸出に対するハードルが低く、世界中からさまざまな食材が集まるため、香港市場では必然的に価格競争が発生。海外未進出でまだ知名度が低い日本食材にとって、香港は決して簡単な市場ではないのだ。 そこで、香港プロジェクトのエリアマネージャーエイミー・クォックが取った施策は、香港人のソウルフード「火鍋」!香港では、火にかけて煮込みながら食べる鍋料理全般を「火鍋」と呼び、家庭によって入れる具もスープの味も異なる。その火鍋の具材として日本産食材を使ってもらうことで、日本の食材を香港の食卓に浸透させようというのだ。火鍋を愛する香港の人たちに、「日本産食材の香港式火鍋」は受け入れられるのか!? そして、未来の輸出ヒット商品を発掘するためのテスト販売がスタートした。エイミーの狙い通り、香港の人たちは日本の食品を受け入れてくれるのか!?
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今回は、日本食材を発掘する一大プロジェクト「débutante: New Selection of JAPAN FOODS+」のアメリカ編。フランス編では和牛に合う商品を、そして香港編では香港人のソウルフードである火鍋の具材となる商品を提案。番組ではその様子を追った。 プロジェクト最後の舞台はアメリカ。穀物類や野菜を食事の基本とし、バランスの良い食生活を推奨するマクロビがトレンドのロサンゼルスと、忙しい毎日を乗り切るために、健康はもちろん、時間をかけずに美味しいものを求めるニューヨーク。この二都市でテスト販売を実施する。 この世界最大級の市場であるアメリカを駆け回っているのが、販路開拓請負人として活躍する岡田繁和。自らが代表を務める会社をアメリカに持ち、水産物や農産物を中心に、全米の卸問屋へあらゆる食品を販売する販路開拓のエキスパートだ。 そんな岡田がニューヨークの売り込み先として選んだのは、ニューヨーク初の日本酒の酒蔵として2018年に誕生した「ブルックリン・クラ」。オーナーのブライアンは、アメリカに美味しい日本酒を増やしたいとの思いから、なんと独学で日本酒を作っている。そんな「ブルックリン・クラ」へ、目新しさだけではなく、いろんな切り口で消費者の気を引く商品を紹介しようと考えた岡田。一体どんな商品を売り込んだのか? そして、ロサンゼルスの売り込み先として選んだのは、トレンドであるマクロビオティックのパイオニア的存在、「エムカフェ」。食に敏感な客が多いこの店で、岡田が仕掛けた提案とは? アメリカでのテスト販売の裏側に迫る!
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日本には世界がまだ知らない素晴らしい食材が埋もれているはず。そんな食材を集め、世界に届けようと始まった海外輸出プロジェクト、「débutante:New Selection of JAPAN FOODS+」。フランス・香港・ニューヨーク・ロサンゼルスの4つのエリアでテスト販売が行われ、その様子を番組で紹介してきた。今回は、その総集編。果たして、日本の食品は世界で通用するのか!? フランスプロジェクトのエリアマネージャー・西山が注目したのは「和牛」。実はフランスはEU最大の牛肉消費国。ここに日本が誇る和牛を売り込みたいと考えたのだ。しかし、赤身肉が主流のフランス。食べなれない霜降り肉をどうやってフランス人好みにし、売り込んでいくのか? 香港プロジェクトでは、香港のソウルフードである火鍋に日本食材を合わせて売り込むという秘策に出た。香港はいわゆるフリーポートで、ほとんどの商品に関税がかからないため、輸出に対するハードルが低い。しかし、それにより多くの地域から食材が集まるため、必然的に価格競争につながるという。エリアマネージャー・エイミーの秘策で、簡単ではない香港市場に入り込んでいくことはできるのか!? そしてアメリカプロジェクトでは、ニューヨーク・ロサンゼルスのそれぞれの傾向に合わせて商品を選定。健康かつ時間をかけずに食べられるものを好む傾向にあるニューヨークでは、目新しさだけではなく、いろんな切り口で消費者の気を引く商品を提案。穀物類や野菜を食事の基本とし、バランスの良い食生活を推奨するマクロビオティックという考え方がトレンドのロサンゼルスでは、マクロビオティックのパイオニア的存在「エムカフェ」でテスト販売を実施。日本の商品をスムージーやサラダなど店で愛されているメニューに組み合わせることで、現地に溶け込ませながら、なおかつメニューのもつ栄養素を増幅させるような形で提案した。 立ちはだかる世界の壁を、彼らはどう乗り越えていくのか!?
No.168
フランスに日本産商品を売り込め!
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いまや世界でブームとなっている日本食。しかし、日本国内には良質な食材でありながら、まだまだ埋もれているものも多い。そこで、そんな日本産商品を発掘すべく始動した一大プロジェクト、それが「débutante: New Selection of JAPAN FOODS+」。全国から集まった439品の日本産商品から、海外消費者のニーズと合致すると期待されるものを海外市場に詳しい目利きのプロが選定、世界4エリアでテスト販売を行い、未来の輸出ヒット商品を発掘しようというプロジェクトだ。 コロナの影響で外食の機会が減り、ワンランク上の食品を購入する傾向が出ているというフランス。フランスプロジェクトでは、「和牛」と「寿司」に合う商品をテーマに25商品を選出した。その中でも、今回果敢に挑戦するのは、厳しい安全管理基準をクリアした「飛騨牛」。実は、フランスはEU最大の牛肉消費国。1人当たりの年間牛肉消費量はおよそ24キロで、EU平均の10キロを大きく上回るという。神戸牛や鹿児島牛などの日本産和牛がすでに取引されているフランス市場で、今回、新たに入りこむチャンスを狙うのだ! 日本が誇る至高の牛肉、「和牛」。しかし、輸出にはいくつもの壁が…。その壁に立ち向かうのは、フランス進出を目指す企業をサポートする会社、ユーロジャパンクロッシング。日本とフランスの両方を知り尽くしたプロ集団は、この壁を一体どうやって乗り越えていくのか!? そして、フランスでのテスト販売において流通を担うのは、肉の大手輸入卸会社ルサージュの営業部長、バンジャマン・デイリー。これまで欧州各国の肉を主に取り扱ってきたバンジャマン。しかし彼は、この飛騨牛を高く評価しているという。そんなバンジャマンが向かったのは、フランス北部の町、リールで人気のレストラン。料理人が飛騨牛をどう評価するのか、そのオーナーシェフに飛騨牛を見てもらうためだ。 飛騨牛を軸に、それに合う日本産商品を売り込むべくスタートしたテスト販売会。オーナーシェフのアイデアをもとに、ユーロジャパンクロッシングの面々が仕掛けた戦略は、飛騨牛にある日本食材を組み合わせる、組み合わせの妙だった!彼女たちの戦略により、霜降りの飛騨牛はフランスで受け入れられるのか!?果たして、その結末は!?
No.167
下町ボブスレー
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北京2022冬季オリンピックの正式競技、ボブスレー。流線型のソリで全長約1400メートルのコースを滑走してタイムを競う。最高速度は140キロを超え“氷上のF1”と呼ばれるこの競技は、わずか100分の1秒の差で勝敗が決まる。強豪国が揃う欧州では、国を挙げてBMWやフェラーリなど世界を代表する自動車メーカーが自国のソリを開発する。 一方、日本でオリンピックを目指しているのは、なんと東京都大田区にある町工場。東京都大田区は、金属加工を中心とした小さな町工場がたくさん集まっており、“ものづくりのまち”として知られている。 ところが近年、経営者の高齢化や、大手企業が生産拠点を海外へ移したことにより、その数は半分以下にまで減少。これに危機感を感じた大田区の呼びかけで始まったのが、ボブスレー作りだった。東京都大田区の町工場が製造するソリ、その名も「下町ボブスレー」。 だが、そんな彼らを待っていたのは厳しい現実だった。目標としていたオリンピックで二度の不採用に…。 しかし、そんな彼らに突如新たなチャンスが…!このチャンスをものにして、今度こそ、彼らはオリンピック出場の夢を叶えることはできるのか!? 「下町ボブスレー」にかける町工場たちの熱き想いに迫る!
No.166
GINZA SIX
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約240以上のショップとともに最先端のフード、ファッション、ライフスタイルを提案する銀座最大級の複合商業施設、“GINZA SIX”。特徴的なのは、館内のいたるところに展示してあるアート作品。GINZA SIXは、これまで様々なアーティストやクリエイターとコラボレーションし、訪れる人々の感性を刺激し続けてきた。 このアートを中心としたGINZA SIXのプロモーションを任されているのが、プロモーションサービス部の村山晃史。2019年には、ロックバンド・サカナクションの山口一郎とコラボして制作した、アートと音楽を融合させた作品が話題を集めた。 そんな村山が2021年のクリスマスを目前にして取り組んでいたのは、新たなアート作品の制作。生きる歓び、家族との愛を感じられる空間。それをアートと共に表現するのだという。かつてないアートを創り出すべく動き出した村山。今年は一体どんな作品でGINZA SIXのクリスマスを彩るのか!? 日本の未来をアートと共に切り開く、GINZA SIXの舞台裏に密着!
No.165
前掛け専門店Anything
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日本伝統の仕事着、前掛け。その発祥は室町時代にまで遡り、古来より様々な仕事の現場で使われてきたが、現代では一部の職業をのぞきあまり使われなくなってきた。 しかし今、そんな前掛けが世界で注目を集めているという!その立役者が、前掛け専門店「Anything」代表の西村和宏。Anythingの特徴は、なんといっても1枚からでもオーダーメイドで前掛けが作れること。色やデザイン、ベースとなる生地まで自由に選択できる。 その技術力が存分に発揮されているのは、一番生地が厚い「1号前掛け」と呼ばれる前掛け。実はこれ、簡単に作れるものでは無いのだという。1号前掛けで使用する生地を織ることができるのは、100年も前に作られた織機のみ。さらに、糸も特殊なものを使用しているという。 今では世界各地から注文が舞い込むAnythingの前掛け。しかし、海外で前掛けを広めたいという西村の思いに反し、その道のりは決して順調ではなかったという。そんな西村の転機となった、ある伝説の男との出会いとは? 日本伝統の前掛けの魅力と、その伝統を守るため世界へ挑み続ける熱き男、西村和宏の挑戦に迫る!
No.164
料理業界 影の仕掛け人
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北海道北広島市にある「料理商品開発」をビジネスとする珍しい企業「見方」。日本各地の老舗ホテルや有名レストラン、テーマパークなど名だたる企業から寄せられるオーダーに応じて、レシピの開発から製造・量産までを一手に担っている。料理界の黒子と呼ばれ、各方面のクライアントから絶大な信頼を得ている見方。その理由は、長年の実績と経験に裏打ちされた冷凍食品製造ノウハウにあるという。年間3000種類の料理を全て自社で手作りする見方が長年培ってきた、独自のノウハウとは!? ある日、北海道を代表する老舗ホテル、札幌グランドホテルから新たな依頼が舞い込んだ。それは、10~20分程度の調理で老舗ホテルの味が手軽に食べられるという札幌グランドホテルの人気シリーズ、ミール調理セットの新作依頼だった。料理の味を守りながら、冷凍・解凍の過程を考慮し、新たに作り方から考えなければならないのだが…老舗ホテルの詳細レシピは門外不出!唯一託された食材リストと、試食の際の舌の記憶のみで、彼らは老舗ホテル伝統の味を再現することができるのか!?冷たい冷凍食品にかける男たちの熱き思いと挑戦の舞台裏に迫る!
No.163
第24回文化庁メディア芸術祭
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今年9月23日から10月3日まで日本科学未来館にて、メディア芸術の総合フェスティバル「第24回文化庁メディア芸術祭受賞作品展」が開催された。「アート」「エンターテインメント」「アニメーション」「マンガ」の4つの部門で構成される本フェスティバル。過去には「もののけ姫」や「シン・ゴジラ」なども大賞として選出されている。今年エンターテインメント部門の大賞に選ばれたのは、岩井澤健治氏の「音楽」。制作期間なんと7年半に及ぶ力作だ。実際に撮影した人間の動きをトレースし、アニメーションに置き換える「ロトスコープ」という手法を用いて制作した本作品。この手法によって精巧な動きの描写が可能になった。さらに、制作に労力がかかる「背景動画」にも敢えて挑戦。一般的にはあり得ないほど長尺と言われている本作品の背景動画。40,000枚超の絵から構成される作者のこだわりが細部までつまったその作品とは。 そしてアート部門大賞を受賞したのは、小泉明郎氏の「縛られたプロメテウス」。演劇・VR(仮想現実)・美術が融合した新しい表現の作品だ。VRヘッドマウントディスプレイを装着して映像体験をする第一部、そして第一部の体験者たちを客観的に眺めつつストーリーを聞く第二部という、二部構成の作品になっている。鑑賞者が今まで感じたことのない感覚に陥るような表現力を持つ本作品は、一体どんな作品なのか? 世界中から応募された多数の作品から選ばれた、「時代(いま)」を映す表現がしのぎを削るメディア芸術祭。技術の進化によって表現の幅が変わっていく「メディア芸術の世界」の魅力に迫る!
No.162
家具職人 松岡茂樹
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東京都杉並区にある家具直営店『KOMA』。KOMAを経営する家具職人・松岡茂樹の作った家具は、海外でこれまで数多くの賞を受賞。日本を代表する家具職人として知られている。さらに、昨年には、厚生労働省の「現代の名工」として最年少で表彰。一体、松岡の何がそんなに凄いのか!?そこには、一切妥協を許さない物作りへのこだわりと、知られざる苦労があった。 一枚の板から、一つ一つ手作業で削り出して作られる松岡の家具。機能性を追求し、無駄な部分を削ぎ落すことで生まれた、滑らかで美しい曲線とエッジが効いたフォルムがその特徴。一般的に、家具のデザインは、パソコンのソフトによって直線的に描かれる。しかし、松岡の家具は曲線が多いため、その全てを手描きで行う。松岡が評価されている所以はそれだけではない。これだけこだわられた家具にもかかわらず、一点物の家具でなく、製品として同じ家具を量産することが可能なのだ。他の家具職人たちを圧倒する、類まれな技術を持つ松岡。ところが、その裏には、人知れぬ苦労があった。家具作りへの揺るぎない信念が形成された、そのきっかけとは? 自らの技術の研鑽だけでなく、人材育成にも手を抜かない松岡。レベルアップの見込みがある若手には積極的に見極めテストを行い、昇格のチャンスを与えるようにしている。今回、松岡が目を付けたのは入社7年目の若手家具職人、平塚。昇格をかけたカンナ掛けの見極めテスト。その結果はいかに…!? 一切妥協を許さない松岡の物作りへの熱い情熱と、さらなる高みを目指すため、親方の背中を追う若手職人の挑戦に迫る!
No.161
人間国宝・琵琶職人 石田不識
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1200年以上の歴史を持ち、海外でも非常に高く評価されている日本の古典音楽「雅楽」。笙(しょう)、龍笛(りゅうてき)、篳篥(ひちりき)など、いくつもの和楽器から構成され、専門の演奏家によって、現代まで伝承されてきた。しかし、近年、その演奏家や楽器を作ることができる職人が減少傾向に…。雅楽が存続の危機に陥っている。 その中でも、特に窮地に立たされている楽器が「琵琶」。戦前には広く演奏されていた琵琶。しかし、現在では、演奏人口が数百人程度に減少。琵琶を作る専門店は、国内でたった一つとなってしまった。そんな国内唯一とされる琵琶専門店・石田琵琶店を守り続けているのは、四代目・琵琶職人の石田不識(いしだふしき)。元々は、埼玉で大工をしていたが結婚を機に、石田家へ婿入りした。ところが、ここからが苦労の連続だった。先代が急に亡くなり、琵琶づくりの技術を教わらないまま、跡を継ぐことになってしまったのだ。「大工だから形は作れるが、うまく⾳が出なくて困った」という石田。先代の顧客の奏者に音を教えてもらい、琵琶の演奏会に何度も足を運ぶ日々。伝統を守りたい、その一心で琵琶を作り続け、独学ながらも第一人者まで上りつめた。そんな石田の後を継ぐのは、息子の克佳。近年、演奏する人が減少し、新規注文も減っている琵琶。そんな琵琶の魅力をもっと知ってもらおうと、克佳が始めたある活動とは…!? 日本の古典音楽「雅楽」の魅力と、1200年の伝統を後世へ伝えるべく奮闘する石田親子の挑戦に迫る。
No.160
紋章上繪師 波戸場承龍・波戸場耀次
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家紋を着物に描き入れる職人、紋章上繪師。細い筆が付いた竹製のコンパス「ぶん廻し」と定規を巧みに操り、繊細なデザインを描き入れるその技術は、国の無形文化財にも指定されている。家紋というと、江戸時代のイメージが強いが、その起源は古く、なんと平安時代後期にまで遡る。しかし、近年では、着物を着る機会が減り、家紋の需要も徐々に減少している。 そんな家紋文化を未来へ繋ぐべく奮闘している親子が、紋章上繪師の波戸場承龍と波戸場耀次。プリント技術の進歩に伴い、手描きで家紋を描き入れる昔ながらの紋章上繪師の仕事が減少。そこで、波戸場が導入したのは、なんとパソコンと描画ソフト!デジタルで家紋を描くことで、家紋の構成要素である円と線の軌跡が可視化され、「紋曼荼羅」という円が何重にも重なり合うアートが生まれる。こうした時代に合わせた新しい家紋表現への取り組みが転機となり、商業施設のロゴや服飾雑貨、商品パッケージなどにも次々と採用されていった。そんな波戸場には、現在、海外からの制作依頼もあるという。実は、現代でも、五万以上の種類があるという家紋。登録の必要がないため、結婚や独立を機に新たな家紋を作る人もいるという。 現在、世界へも家紋文化を発信しようと、イタリアで開催されるアートイベントに向け、作品づくりに取り組んでいる波戸場。これまでの家紋の常識を覆す波戸場の大胆な試みとは!?世界に誇る日本の紋章上繪の技術と、その文化を後世へ伝えるべく奮闘する波戸場親子の挑戦に迫る。
No.159
パン職人 大澤秀一
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東京・世田谷区にある行列が絶えないベーカリー「コムン」。営んでいるのは、2年に1度フランスで行われるパンの世界大会「モンディアル・デュ・パン」で、6部門中3部門を制し、日本人初の総合優勝を果たした男。彼の名は大澤秀一。一見何の変哲もないように見える大澤のパン。一体、他と何が違うのか。連日大勢のお客さんでにぎわうコムン。しかし、そこに至るまでには多くの苦労があった。高校を卒業してすぐにパン職人の道へと進んだ大澤。彼のパン屋人生は、群馬の小さなプレハブ小屋から始まった。理想のパンにならず、試行錯誤を続ける日々。そんな彼が、いかにして世界一のパン職人へと上りつめていったのか!? 世界大会総合優勝、そして東京進出と次々に夢を叶えていった大澤。そんな彼を支えたのは、偉大な師匠の存在だった。パン職人・大澤秀一の世界に誇る技術、そして、彼の次なる挑戦に迫る。
No.158
安曇野の特産品を世界へ
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わさびの一大産地である長野県安曇野市。雄大な北アルプス連峰の雪解け水が伏流水となって街中に流れる「湧水の郷」。辛くて甘い安曇野の「ホンモノ」のわさびが、今、国内外で注目を集め始めている。わさびを世界へ広めたい!その思いで、安曇野のわさびの魅力を発信するため取り組みを始めたのが、藤屋わさび農園の4代目・望月啓市。しかし、わさびは主役を引き立てる名脇役であるがゆえに、単体ではこれ以上世界に広げるのは難しいと考えていた。そこで望月が立ち上げたのが、安曇野市の特産品とともにわさびを売り込むフランス欧州進出プロジェクト“et WASABI”。 今回はその第2弾、安曇野の特産品がついにフランスへ。各生産者が手塩にかけて作った米やそばなどの特産品。プロの目に安曇野の特産品はどううつるのか!?そして行われた、オンラインでのフランスとの商談会。生産者たちの思いは届くのか…。フランスでは馴染みがなく売れ行きが芳しくなかった商品もシェフの斬新なアイデアで起死回生の一手に出る。安曇野ブランドを世界に売り込もうとフランスへ羽ばたいた10社は見事、現地での評判とビジネスチャンスを掴むことは出来るのか!?彼らのさらなる挑戦に迫る。
No.157
世界が認める日本人アーティスト せきぐちあいみ
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最近話題になっているのが、デジタルのアート作品や商品の所有権を売買するのに使われるNFT(ノンファンジブルトークン)を用いたオークション。簡単にコピーできてしまうため、現物のアートに比べて価値が劣るという認識が一般的だったデジタルアート。しかしNFTの登場によって、特定の作品だけをオリジナルとして販売できるようになり、現在、その価値が認められるようになってきている。 2021年3月、ある日本人アーティストの作品が、日本円でおよそ1,300万円で落札され大きな話題となった。そのアーティストは、VR(バーチャル・リアリティ)アーティストのせきぐちあいみ。360度全ての空間を利用して制作されるVRのアート。VRの世界を体験するための専用ゴーグルをつけて鑑賞すると、幻想的なアート作品の中に入ったような体験ができるのだという。 現在、世界中からテレビ番組の取材やライブパフォーマンスのオファーが舞い込み、次世代アーティストとして、日本よりも海外でその名が知られているせきぐち。実は、中学生まで内向的な性格だったという彼女。いかにして世界的なVRアーティストとなったのか?VRアーティスト・せきぐちあいみが創り出す最先端アートの魅力、そして、彼女の新たな挑戦に迫る!
No.156
進化する鍛金職人・長澤利久
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日本に古くから伝わり、今や世界からも注目される日本茶。そのお茶を淹れるための道具、急須が生まれたのは一般庶民にもお茶が親しまれ始めた江戸時代のことだった。機能や形を変えず生き続ける急須。それをただ今に伝えるだけではなく、さらに進化させ続ける職人がいる。鍛金職人・長澤利久。彼が作るのは、唯一無二のキレを誇るという「注いだ後に絶対垂れない急須」だった! 一枚の金属板を金鎚で叩き締めながら、急須や器などのカタチに形成していく伝統の技“鍛金”。この伝統を受け継ぎつつも進化を続ける鍛金職人・長澤の挑戦に迫る!
No.155
ジュエリー職人 臼澤昭彦
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東京・銀座に工房を構えるジュエリー職人・臼澤昭彦。彼は、ジュエリーの本場ヨーロッパで腕を磨き、老舗宝飾ブランドのパリ本店工房で、アジア人として初めて最高位のトップマイスターとして活躍していた人物。これまで手がけてきたジュエリーは5万点を超える。彼の元には、オーダーメイドで作られた指輪の修理やブライダル用の指輪の製作など、次々と依頼が舞い込む。 臼澤の技術が発揮されるのは、ジュエリーの修理。宝飾ブランドごとに技法や材料が異なるため修理に求められる技術も高度なものになるのだが、ジュエリー職人・臼澤の手にかかれば、思い出が詰まった唯一無二の品も、新品のような仕上がりで依頼主のもとに戻される。確かな技術力で依頼主から絶大な信頼を寄せられる臼澤。だが実は、パリの宝飾工房時代、トップマイスターとして仕事にあたっていた彼は、人種間の隔たりにより辛酸を嘗める日々を送っていたという。そんな臼澤を支えたのは師匠の存在だった。 今回は、ジュエリー職人・臼澤昭彦の技術の原点に迫る!
No.154
ハリウッドが認めた特殊メイクアップアーティスト
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2021年5月、ニューヨーク タイムズスクエアのビルボードに出現した巨大なアート写真。芸者をモチーフにした作品は、5日間にわたりブロードウェイを独占し、話題となった。この作品を手掛けたのは、日本人特殊メイクアップアーティストAmazing JIRO。彼は、日本の特殊メイク界を牽引し、世界70カ国以上で読まれるハリウッドのメイクアップ専門誌で「世界の注目アーティスト10人」に選ばれたトップクリエイター。国内では映画「進撃の巨人」や「シン・ゴジラ」の造形に携わり、現在では、広告やファッションなど様々な分野で活躍している。彼が目指すもの、それは、常識を覆す新たなアート!型にはまらない斬新な技術で創り出されるAmazing JIROの作品の秘密に迫る!
No.153
清涼な湧水が生み出すわさびの秘密!若きわさび農家の挑戦
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寿司や刺身、そばなどに欠かせない名脇役“わさび”。日本人には馴染み深く身近な食品だが、私たちはわさびについてどれくらい知っているだろうか?一般的に、チューブ入りの練りわさびや粉わさびとして市販されている商品は、主成分として「西洋わさび(ホースラディッシュ)」と呼ばれるヨーロッパ原産の植物を使用し、日本原産の本わさびが含まれる割合は少ない。国内においても、ごく限られた場所でしか栽培できない希少な野菜・本わさびは、口にする機会が限られる高級食材なのだ。 わさびの一大産地である長野県安曇野市。この町には、数々の品評会で受賞し、宮内庁にも納入された“ホンモノ”のわさびがあるという。1本およそ3,000円と、高級和牛にも匹敵するそのわさびは、海外で“Real WASABI”として話題となり、栽培する農園には各国メディアが続々と取材に訪れている。果たして、今、国内外で注目を集め始めているわさびとは、一体どのようなものなのか?ホンモノのわさびを育む“奇跡の土地”、安曇野の秘密を探るとともに、わさびを世界へ広めるために様々な戦略で日本から売り込みをかける、若きわさび農家の奮闘を追った!
No.152
桐下駄職人 丸山勝美・高橋枝里 師弟で守り続ける100年の伝統の灯
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日本の伝統的な履物、下駄。カランコロンと心地よい音を奏でるのが特徴で、日本観光のお土産として購入する外国人も多い。群馬県沼田市で100年の歴史を誇る「沼田桐下駄」。下駄を作り続けて68年、桐下駄職人・丸山勝美の営む丸山下駄製造所は、唯一、今でもこの沼田桐下駄を作り続ける工房だ。時代の流れにより下駄の需要が減り、下駄職人は次々と廃業。丸山も後継者不足から技術の継承を諦めかけていた。しかし丸山の元に、その技術を継承したいというひとりの弟子が現れた。後継者が見つかり一安心した丸山だったが、昨年大きな危機が降りかかる。新型コロナウイルスによる外出自粛の影響で、注文が激減。廃業の二文字が脳裏をかすめたという丸山だったが…。 現在、丸山の工房には注文が殺到し、商品はなんと3ヶ月待ちという状態なのだという。一体なぜ、丸山の工房に注目が集まったのか?その理由は、新たな後継者となった若き弟子が開発した一足の下駄にあった。 今回は、逆境に立ち向かう桐下駄職人たちが、師弟二人三脚で守り続ける伝統技術に迫る。
No.151
名宿の魅力に迫る!1915年誕生のクラシックホテル「東京ステーションホテル」
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なぜそこは名宿なのか。客をもてなすその心構えに名宿たる理由が見えてくる。国の重要文化財の一つである、東京駅。その駅舎の中に100年以上の歴史を誇るホテルがある。それが「東京ステーションホテル」。2020年、世界的ラグジュアリーホテルのグループ「SMALL LUXURY HOTELS OF THE WORLD」から「サービスと設え」が最も素晴らしいと表彰され、さらに、2021年には世界的な権威を誇る「Forbes Travel Guide」で6年連続となる4つ星を獲得した一流ホテルだ。なぜ、東京ステーションホテルは時代を超えて多くの人を魅了するのか? 東京ステーションホテルの根幹を創り上げたある人物の意外な取り組み、そして、人と人が生み出した数々の物語。東京ステーションホテルの歴史を紐解き、名宿が名宿たる由縁を探る!
No.150
アンリアレイジ森永邦彦の新たな挑戦 一瞬と永遠を表現する作品とは?
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テクノロジーや新技術を用いた斬新なデザインで、これまで数々の衝撃をファッション界に与えてきたファッションデザイナー、アンリアレイジ・森永邦彦。世界的な新型コロナウイルスの流行が、これまでの価値観を覆しファッション界にも大きな影響を与える中、彼は新たな試みを始めていた。 今から100年以上前にスタートしたといわれるファッションの祭典、パリ・コレクション。ここ2回の開催では、新型コロナウイルスの影響により、数多くのブランドが従来通りランウェイで作品を発表することができず、オンラインでの発表を余儀なくされた。しかし、森永はこの状況を逆手にとり、ある驚きのアイディアでコレクションを発表する! さらに、この春アンリアレイジはオンワード樫山とタッグを組み、新ブランド「アンエバー(ANEVER)」を立ち上げた。このブランドの主役となるのは、ドライフラワーを樹脂に閉じ込めた“本物の花柄”のバッグとアクセサリー。 これまで人間の身体にとらわれない独創的なフォルムの洋服や、最新テクノロジーを積極的に取り入れた、ある種尖ったデザインのファッションを創り続けてきた森永。なぜ今、日本の大手アパレルメーカーと手を組むことにしたのか?森永邦彦の新たな挑戦に迫った!
No.149
「未輸出ヒット商品発掘プロジェクト」日本の食材は世界に通用するのか!?【後編】
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世界中に広まり、人気を博す日本食。日本各地には、まだまだ世界に知られていないたくさんの良質な食品がいくつも存在する。そんな海外未進出の掘り出し物を発掘する一大プロジェクト「デビュタント」が始動した。海外市場に挑戦すべく、日本全国からなんと700品以上の食品がエントリー。集まった食品はフランス、アメリカ、タイ、ベトナムの4カ国で、現地のバイヤーや目利きたちにより審査・選考され、それぞれの国でテスト販売が開始した。しかし…ただ店頭に並べるだけでは、初めて見る日本の食品を現地の人々が手にとるはずがない。このプロジェクトでは、その国に適した様々な戦略で日本食品を売り込もうというのだ! “柚味噌”の味を広めるため、80歳のおばあちゃん社長とミシュランシェフがコラボメニューを展開したフランス。コロナ禍で様々な制限があり、販売に苦戦が予想されたロサンゼルス。そして、日本の高品質な食品の味を知ってもらうため、タイで展開したあの手この手の戦略。ベトナムでは、なかなか伸びなかった商品の売り上げを倍増させたある秘策を展開! 今回は、4か国で繰り広げられた、厳選された日本食品の海外デビューの様子に密着した。
No.148
タイに東北の食材を広めよ!青森ほたて&仙台牛を弁当に!飲食旅行事業プロデューサー勝田隆仁(総集編)
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親日国として知られるタイ。ASEAN諸国の中でも「先進国」とされ経済成長著しいこの国では、2000年頃から日本食レストランが急増し、いまやその数は4,000店以上となり、空前の日本食ブームが到来している。日本食が浸透しつつあるこの状況の中、タイで新たなムーブメントを仕掛けようと、ある日本食を打ち出すプロジェクトが動き始めていた。 プロジェクトの主役となる日本食、それは・・・「お弁当」!日本食需要が増えつつあるタイの人たちに本当に美味しい日本のお弁当を提供すれば、新たなブームが巻き起こるのではないか!?そんな可能性を見据えプロジェクトを推し進めるのは、異色の経歴を持つ飲食業プロデューサー・勝田隆仁。彼は、元大手商社勤務のサラリーマン。タイでBNK48の立ち上げに携わるなどエンタメ業界で頭角をあらわした。さらに、およそ600万人のフォロワーを持つ有名女優をプロモーションに起用し、無名だった日本発スイーツをタイで大ヒットさせた手腕の持ち主だ。そんな飲食業界の風雲児が、タイではまだ認知度が低い東北産の食材を使ったお弁当をプロデュースし、勝負を挑む!果たして彼は、どんなお弁当をどんな戦略で売り出すのか?新たな海外販路の開拓に挑む、ひとりの日本人の挑戦に密着した!
No.147
日本の逸品を海外へ(総集編)
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衰退傾向にある日本の第一次産業。そして、そこに追い打ちをかける新型コロナウィルス。日本の国内総生産(GDP)はコロナ危機が本格化した4~6月期、戦後最悪にまで落ち込んだ。しかし実は、農林水産物、食品の輸出は健闘しているのだという。今、質の高い日本の食品を世界に届けるべく、あるふたつのプロジェクトが進められようとしていた。 【日本茶をラトビアへ】 日本から約8000km、ヨーロッパの中で最も東に位置する国のひとつ、ラトビア。国土は北海道の約8割程度、人口は200万人という小さな国だ。この国に日本のお茶を届けようと、ひとりの女性が立ち上がった。彼女の名はシグネ・メイレーン。ラトビア国内のおよそ100人に1人が読んでいるという人気雑誌「ロフィシェル」の編集者だ。彼女が関心を寄せるのは、日本茶。シグネは食を中心とした幅広いネットワークを持ち、雑誌の編集の仕事をしながら自身の料理本を10冊も出すほどの実力者。日本茶に興味を持っていた彼女は、今回、自分なりの切り口で日本茶を取り上げ、「ロフィシェル」に記事として掲載したいと考えていた。 果たして、ラトビアで日本茶は受け入れられるのか?そして、彼女の目を通して見つけた日本茶の新たな魅力とは? 【海外販路拡大プロジェクト~長崎離島・水産業社の戦い~】 日本の最西端に位置し、三方を海で囲まれる長崎県。近海で年間を通して様々な魚が育まれることから、漁獲量は全国でもトップクラスだ。さらに、長崎県の魚種は250種を超え、全国1位ともいわれている。国内でも指折りの魚の産地だが、近年、水産業は非常に厳しい状況に置かれている。漁業生産量は昭和54年をピークに年々減り、魚価安、漁業従事者の減少や高齢化、新型コロナウイルスによる影響など問題が山積なのだ。この現状に待ったをかけるべく、長崎が誇る海の幸を、巨大市場を持つアメリカに売り込み新たな市場開拓を目指す「海外販路拡大プロジェクト」が動き出していた。 舞台は大都市アメリカ・ロサンゼルス。人口、経済規模共にニューヨークに次いで全米2位のこの街で、長崎の水産物を流通させるため立ち上がったのは、長崎離島の水産会社や漁師、そして、ロサンゼルスで食の販路の開拓者として活躍しているひとりの日本人。彼らは新商品を開発し、現地での販売を目指すが・・・。 日本とは食文化が異なるアメリカの地で、長崎の水産物は受け入れられるのか?新たな市場を求め立ち上がった男たちの熱い挑戦に密着した!
No.146
コンセプトデザイナー 青木竜太
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新たなコンセプトを打ち立て、各業界のトップランナーたちをつなぐ“場”を生み出す、コンセプトデザイナー 青木竜太。青木は日本初の“TEDxKids”を開催し、注目を集めた。“TEDx”とは、マイクロソフトの創業者のひとりであるビル・ゲイツや、アップルの生みの親 スティーブ・ジョブズなどが登壇したとして知られる“TED”の普及に合わせて派生した、ライセンス形式で講演会を開催するプログラムだ。「価値あるアイデアをシェアする場」をコンセプトに、テクノロジーやエンターテイメント、デザイン等の分野について先駆的な実践者や研究者が、独創的でインパクトのあるプレゼンテーションを行う“TED”。 この精神を受け継ぎ、青木は「価値あるアイデアを、未来を作る子どもや、子どもの環境を作る大人たちに向けて共有する」というコンセプトを掲げ“TEDxKids”を開催。中高生を中心とした登壇者がアイデアを発信できる“場”をつくり出したことで、青木の手掛けた“TEDxKids”は大きな反響を呼んだ。 この“TEDxKids”以外にも、多分野横断型のアート集団やアート系スタートアップの輩出を目的に、アーティストや技術者、そして研究者が一堂に会し、その場で結成したチームで短期間でアート作品を制作する“Art Hack Day”を開催するなど、斬新なコンセプトを打ち立て、クリエイターたちをつなぐ“場”を精力的に生み出してきた青木。 彼はなぜ、人々をつなぐ“場”にこだわるのか?彼の活動に密着した。
No.145
60分拡大スペシャル 飲食旅行事業プロデューサー勝田隆仁 タイに東北の食材を広めよ!青森ほたて&仙台牛を弁当に!
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親日国として知られるタイ。ASEAN諸国の中でも「先進国」とされ経済成長著しいこの国では、2000年頃から日本食レストランが急増し、いまやその数は4,000店以上。空前の日本食ブームが到来している。日本食が浸透しつつあるこの状況の中、タイで新たなムーブメントを仕掛けようと、ある日本食を打ち出すプロジェクトが動き始めていた。プロジェクトの主役となる日本食、それは・・・「お弁当」!日本食需要が増えつつあるタイの人たちに本当に美味しい日本のお弁当を提供すれば、新たなブームが巻き起こるのではないか!?そんな可能性を見据えプロジェクトを推し進めるのは、異色の経歴を持つ飲食業プロデューサー・勝田隆仁。彼は、元大手商社勤務のサラリーマン。タイでBNK48の立ち上げに携わるなどエンタメ業界で頭角をあらわした。さらに、およそ600万人のフォロワーを持つ有名女優をプロモーションに起用し、無名だった日本発スイーツをタイで大ヒットさせた手腕の持ち主なのだ。そんな飲食業界の風雲児が今回、タイではまだ無名の東北産の食材を使ったお弁当をプロデュースし、勝負を挑む!果たして彼は、どんなお弁当をどんな戦略で売り出すのか?新たな海外販路の開拓に挑む、ひとりの日本人の挑戦に密着した。
No.144
60分拡大スペシャル 海外販路拡大プロジェクト!長崎離島・水産業者の戦い!
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日本の最西端に位置し、三方を海で囲まれている長崎県。近海では年間を通して様々な魚が育まれることから、漁獲量は全国でもトップクラス。さらに長崎県の魚種は250種を超え、全国1位ともいわれている。 近年、水産業は非常に厳しい状況に置かれていて、漁業生産量は昭和54年をピークに年々下降している。加えて、魚価安、漁業従事者の減少や高齢化など問題が山積だ。さらに今年3月、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い水産物流がストップし、漁業関係者は大打撃を受けた。この現状に待ったをかけるべく、長崎の離島であるプロジェクトが始動した。それは、長崎が誇る海の幸を巨大市場を持つアメリカへ売り込み、新たな市場開拓を目指す、長崎離島の海外販路拡大プロジェクトだ。 舞台は大都市アメリカ・ロサンゼルス。人口、経済規模共にニューヨークに次ぐ全米2位のこの街で長崎の水産物を流通させるために立ち上がったのは、長崎離島の水産会社や漁師、そして、ロサンゼルスで食の販路の開拓者として活躍しているひとりの日本人。彼らは新商品を開発し、現地での販売を目指すというが・・・。果たして、日本とは食文化が異なるアメリカの地で、長崎の水産物は受け入れられるのか?新たな市場を求め立ち上がった男たちの熱い挑戦に密着した!
No.143
手作りマウスピース職人 亀山敏昭
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オーケストラや吹奏楽で花形楽器とされ、ジャズやポップスでも欠かすことのできない、華やかで輝かしい音を奏でる金管楽器『トランペット』。世界には名だたるトランペット奏者が存在する。『トランペットの神様』と称賛され、多くのファンや弟子から慕われ続けたフランスの天才奏者モーリス・アンドレ。『モーリス・アンドレ以来の大器』と呼ばれるスウェーデンのトランペット奏者、ホーカン・ハーデンベルガー。そして、元チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の伝説的奏者、ミロスラフ・ケイマルなど、トランペット界で知らぬ者のいない存在である彼らには、実はある共通点が。それは、彼らのトランペットには、1人の日本人が関わっているということ。その日本人の名は、亀山敏昭。彼が作っているもの、それは名だたるトランペット奏者たちが共通して愛する道具『マウスピース』。マウスピースとは、奏者の唇の振動を音に変換する道具で、わずかな違いが演奏性や音色に大きく影響する。ゆえに、トランペットを演奏する時に最も重要なアイテムの一つとされているのだが、一体なぜ、数多く存在する職人の中から、日本人がつくったマウスピースが世界最高峰のトランペット奏者たちに選ばれたのか?今回は、マウスピース職人・亀山敏昭の秘密に迫った。
No.142
1/12の小宇宙!唯一無二のミニチュア工房「ミニ厨房庵」
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実物の1/12に凝縮された小さな家具や建物、調度品などを俯瞰して眺め、その世界観を楽しむヨーロッパ発祥のホビー「ドールハウス」。日常の風景を切り取って凝縮したミニチュアの世界は、老若男女問わず、昔から多くの人を魅了している。町工場が数多く残る東京都荒川区の一角に、ドールハウス愛好家たちから絶賛される三人組ユニットが、ひっそりと工房を構えている。金属でできた厨房器具ミニチュアをメインに、家族3人でドールハウス製作を手がける『ミニ厨房庵』。彼らの元には、実際の店舗をミニチュアにしたドールハウスやテレビコマーシャルに使うセット、さらには博物館に展示する特注品の発注まで、日本だけでなく世界各国から様々な依頼が舞い込んでくる。なぜ、下町の小さな工房で作られるミニチュア作品が世界から熱い眼差しを向けられるのか?今回は1/12の小宇宙、唯一無二のミニチュアの世界に迫る!
No.141
エピソード141
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日本茶をラトビアへ 日本から約8000km、ヨーロッパの中で最も東に位置する国の一つ、ラトビア共和国。国土は北海道の8割程度、人口は200万人と、名古屋市ほどの人々が暮らす小さな国だ。このラトビアの首都・リガで、2020年9月、世界の食品が集まる国際見本市「リガフード2020」が開催された。今年で25周年目を迎えるこの見本市は、互いに各国の新製品を味わいアイデアや知識を交換できる場として、バルト海沿岸地域で最大規模を誇る食のイベントだ。世界30カ国から400もの会社が参加し、現地の有名シェフやマスコミも一堂に会する中、日本を代表してある品が出展されていた。それが「日本茶」。鹿児島や京都、静岡など日本全国から9つのお茶会社がそれぞれ珠玉の逸品を持ち寄り、その味を広めようと奮闘していた。近年、抹茶などの日本茶が世界で知名度を上げているものの、ここラトビアではまだあまり知られていない。では一体なぜ、日本茶がまだ浸透していない人口わずか200万人の国ラトビアに、日本茶を売り込もうというのか?そこには、日本茶の販路開拓につながるラトビアならではの秘密があった。さらに今回、日本茶を広めるべく、現地有名雑誌の女性編集者が立ち上がる!彼女の目を通して見つけた日本茶の新たな魅力とは?
