ドキュメンタリー/教養

<FNSドキュメンタリー大賞>珠洲の窯漢

珠洲の土と窯で作る珠洲焼の作家2人。地震で何度も被害にあった。地震に壊され立て直し、また振り出しに。作家2人の選択は。

9月23日 月曜 1:30 -2:25 さんいん中央テレビ1

能登半島の先端に位置する石川県珠洲市。珠洲の土と珠洲の窯で焼く焼き物がある。珠洲焼だ。 田端和樹夫さん(76)と篠原敬さん(64)は珠洲焼作家。それぞれ窯を構え、30年珠洲焼を作り続けた。 そんな2人の作風は全く違う。同じ珠洲焼でも田端さんの作品は黒灰色の珠洲焼に色を付け、数々の展覧会で入賞し、篠原さんは「自分の心が落ち着く作品」を作り、焼き物を通して生まれる人との出会いを大切にしている。 そんな
2人は地震の被害にあった。2023年には大量の作品が割れ、窯は使えなくなった。篠原さんは窯を一から作り直した。田端さんは「廃業」も考えたが、珠洲焼を続ける決断をした。そんな2人に追い打ちをかけるように起きた2024年1月1日の能登半島地震。田端さんの工房は建物ごと倒壊。窯は天井から崩れていた。5カ月かけて作った篠原さんの窯は一度も火をいれることなく崩れた。 地震後も篠原さんは持ち前の明るさで精力的
に取材に応え、展覧会を開いてファンと交流した。田端さんはというと資金繰りを心配しながらも、重機で潰れた建物を解体し少しずつ前に進んでいる。 地震に壊され、自分で壊す。そして再生しようとする。性格も目指す先も異なる2 人だがそこにあったのは抗えない自然の災いを受け入れて、珠洲でしか作れない焼き物「珠洲焼」を途絶えさせないための覚悟だった。

  • 出演者

    田端和樹夫 篠原敬 他

  • スタッフ

    【ナレーション】常盤貴子  【撮影・編集】和田光弘  【音声】石倉信義  【MA】林壮樹  【音楽】大野木千夏  【タイトル】高倉園美  【ディレクター】濱口真子  【プロデューサー】才澤孝