彷徨う居場所〜親亡き後 障がいのある我が子は〜

ドキュメンタリー/教養

<FNSドキュメンタリー大賞>彷徨う居場所〜親亡き後 障がいのある我が子は〜

年老いていく両親が障がいのある我が子を支える老障介護。いつか来る我が子との別れ。その時、子供を託せる場所は…。居場所を探し続ける家族を見つめたドキュメンタリー。

10月7日 月曜 1:15 -2:10 テレビ静岡

障がいのある子どもを持つ親の悩み。それは「親である自分が亡くなった後、誰が大切な我が子を見守ってくれるのか」ということ。  広島市内に暮らす九内康夫さんは、2人の障がいのある子どもを育てている。兄の誠洋さんは自閉症、弟の勇輝さんは自閉症と知的障害がある。弟の勇輝さんは一日の大半、部屋の中を飛び跳ね、歩き回る。勇輝さんの生活音は周囲に響く可能性があるが、飛び跳ねることが勇輝さんにとって最も落ち着く行
動だと知っている康夫さんは止めることができない。家に引きこもっている勇輝さんの生きづらさを理解し、支えてくれるのは家族だけだ。  現在日本では、主に重度の障がい者が入所する施設が全国的に不足している。広島県では施設への入所を希望する待機者が列をなしている状況だ。ここには「障がい者の受け入れを“入所施設”から“地域のグループホームや自宅”へ移行し、健常者と同じように障がい者が地域で自立して暮らす」と
いう国が進めている政策が関係している。理念だけが先行する国の方針により、多くの家族が不安と向き合っている。  いつか必ず訪れる親の死。その時、安心して子どもを託せる場所はあるのか。寛容さをなくしつつある社会はこの家族をどう受け入れていくのか。障がいのある子どもを支える、家族の日々を見つめた。