座頭市物語

ドラマ

<時代劇名作選>座頭市物語 第2話「子守唄に咲いた女郎花」🈑

勝新太郎が、盲目の侠客で居合いの達人・座頭市を演じた大ヒット時代劇。その最初のシリーズがいよいよスタート!ゲスト:中村玉緒ほか

1月3日 土曜 8:30 -9:30 BSフジ・181

<時代劇名作選>座頭市物語 第2話「子守唄に咲いた女郎花」🈑

上州草津。座頭市(勝新太郎)は、湯治客や飯盛女郎のおしの(中村玉緒)に柿を売り、病気の祖父弥平(南部彰三)を養う少年太郎吉(坂上忍)と仲良しになった。 話は変わるが、市がおしのの肩をもみながら、三十両ほどならいつでも持っていると嘘をついたことから、土地の親分鬼辰(小松方正)の賭場に誘われる。 鬼辰一家の子分伊之助(江原真二郎)のイカサマを看破した市は、難なく三十両を得る。
三十両の金があれば祖父の薬も買えると、喜び勇んで帰る太郎吉の姿に市は嬉しくてしょうがない。 しかし、せっかくの市の親切も無駄に終わった。 「太郎吉を高崎まで連れて行ってほしい」という遺言と、一つの包みを残して弥平は死んでしまう…。 盲目の市には読むすべもなかったが、包みの中身は、太郎吉の臍の緒書きであった。 実は、太郎吉は、高崎一の絹問屋「万屋」の落し胤であったのである。
太郎吉を連れた市の子供旅がはじまった。 道中には、途中から、おしのに伊之助という思わぬ道連れが加わる。 代貸しの政吉(今井健二)に、賭場で市を勝たせたヘマを厳しく追及された腹いせに、鬼辰の経営する女郎屋から三年越しの仲のおしのを足抜けさせたのである。 どこでおしのと世帯を持つにしてもまとまったものがいる。太郎吉が“金づる”になると知り小悪党の伊之助は、市を出し抜こうと虎視眈々。
おしのには、いつしか母性愛のようなものが芽生えた。 女郎に売られてくるからには、市同様、幼時の記憶もどうせ幸福とは無縁であろう。 「この子だけには、そんな惨めな思いはさせてはならねえ!」と、しみじみと話す市の言葉は、おしのの心をゆさぶるに十分であった。