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日本のチカラ

ドキュメンタリー/教養

日本のチカラ#452🈑 結いの手仕事 〜大島紬(おおしまつむぎ)の未来

鹿児島市内にある「奄美の里」。奄美群島で作られる伝統工芸品「大島紬」の製造工程を見られる工房に、レストランや庭園も併設。奄美の自然や文化に触れられるスポットです

12月1日 月曜 10:25 -10:55 南海放送1

鹿児島市内にある「奄美の里」…南国の樹木や花々が織りなす緑豊かなガーデンが広がります。奄美群島で作られる伝統工芸品「大島紬」の製造工程を見られる工房に、レストランや庭園も併設。奄美の自然や文化に触れられるスポットです。世界三大織物にも数えられる大島紬は、およそ40の工程から緻密な柄を描き出します。
日本を代表する絹織物として1970年代には生産量のピークを迎え、その技術力が注目されていますが、昨今の着物離れや後継者不足で生産量は激減。1929年に奄美大島で創業し独自ブランドを生み出してきた「藤絹織物」は、時代の変化の中で、大島紬の技術と価値をどうつないでいくか、日々挑戦を重ねています。
この道50年の上村和己さん(75)は、図案やデザインの担当から、大島紬の洋装品の制作へ自らの技術を広げてきた職人。なにより「新しいものを作り出すことが好き」だといいます。分業制の工程の中、織り機の扱いを学び、新たな時代を感じさせるネクタイやバッグを生み出しています。鋭い目線が向かうのは、1本の糸と常にアイデアを書き留めるノート。長年紬と歩んできたからこその感覚と思いがあります。
社長の藤陽一さん(51)は施設として目指す未来を模索、「奄美の里Re-bornプロジェクト」で「奄美の文化の発信」を掲げました。コロナ禍の影響を受けた併設のレストランや結婚式場でも「奄美」と「大島紬」をつなぐ企画や試みが始まっています。1本の糸に綿密な色付けがされ、縦糸と横糸が交わってひとつの柄になる大島紬。「結い」の思いで紡ぐ、大島紬の未来…職人たちの日々を追いました。