京都知新

ドキュメンタリー/教養

京都知新【和菓子職人 伊藤達也◆升毅:ナレーション】

伝統を守りながら時代に即した『和菓子』の可能性をー。世界遺産仁和寺近くのお店は独創性にあふれている。和菓子職人・伊藤達也さんに舞い込んだ、特別な和菓子の依頼とは

12月7日 日曜 6:15 -6:30 MBS毎日放送

京都知新【和菓子職人 伊藤達也◆升毅:ナレーション】

今回の主人公は、京菓子の世界に新しい風を送りこむ和菓子職人伊藤達也さんです。 京菓子は御所への献上、寺社の供え物、茶道の文化など長い歴史の中で磨かれていったもの。伝統を守りながら、時代に即したアイデアや素材を取り入れることで、その可能性を拡げてきました。  
伊藤さんは、より多くの人に和菓子の良さを知ってもらおうと17年前に独立、世界遺産仁和寺近くの御室に「いと達」を構えました。入店は「一組限定」。一対一で対話することで、和菓子に秘められたストーリーを伝え、目の前で生菓子を作り、その工程も見せる。和菓子とのふれあいを、記憶にとどめてもらおうという試みです。  
京菓子で大切なのは「餡」だという伊藤さんは、甘さの異なる8種類の餡を作っています。 くまもなか、紅茶風味の菓子、イチゴジャムを入れたもの、独創性も重要です。 「いと達」は、いまやわざわざ足を運びたいお店として好評を博しています。  
そんな伊藤さんのもとへ、一夜限りのイベントで提供する特別な和菓子の依頼が持ち込まれました。一休寺での夜咄の茶会。伊藤さんが作ったのは、カルダモンなどスパイスを練り込んだ餡、ゆず風味の寒天を纏った真っ黒な和菓子。夜に浮かび上がる漆黒の艶と、寒さを和らげるスパイス。思いもよらぬ和菓子との出会いに客は驚き、心ゆくまで豊かな時間を満喫します。 「小さく、堅く。」 美味しいはかくも美しい。