劇場/公演
<シネマ歌舞伎>『鰯賣戀曳網』 ▼中村勘三郎、坂東玉三郎
◆お正月は、シネマ歌舞伎 三昧!◆
恋に一途な鰯賣と秘密を抱えた美女の恋の行方は――(上演:平成21年1月・歌舞伎座/公開:令和3年年6月)
83分
1月1日 水曜 9:00 -10:30 衛星劇場
平成21年1月歌舞伎座さよなら公演にて上演された舞台を撮影。中村勘三郎のおちゃめでユーモラスな鰯賣猿源氏と、坂東玉三郎演じる秘密を抱えた美しく気品溢れる傾城蛍火が織りなす恋物語。最高にハッピーなエンディングで劇場を和やかな笑いで包み込んだ名舞台が十二年の時を経て、シネマ歌舞伎として全国の映画館にて公開。息の合った掛け合いから愛嬌溢れる花道の引っ込みまで珠玉の舞台をお楽しみください!
本作『鰯賣戀曳網』は稀代の作家・三島由紀夫が『地獄変』に続き、二作目に手がけた歌舞伎作品で、三島が手掛けた全6作品のうち、唯一、三島自ら企画を持ち込んだもの。室町時代に成立した御伽草子の「猿源氏草子」などをベースに、歌舞伎の持つ様式美を活かしながら、古風で大らかな味わいをもった笑劇として執筆され、他の三島歌舞伎作品とは異なり、幸福に向かって進んでいく男女二人の恋物語です。
十八世中村勘三郎と坂東玉三郎による『鰯賣戀曳網』は、平成元年11月の歌舞伎座での「勘九郎の会」公演を最初として、十八代目中村勘三郎襲名披露公演など、繰り返し上演されてきました。互いに身分を偽って、想いがすれ違いながらも、運命の恋の糸を手繰り寄せる二人。勘三郎と玉三郎が醸し出す愛嬌と ファンタジックな要素が混ざり合って、三島由紀夫が意図した通りの大らかで和やかな笑いが観客を幸せな結末へと導きます。