植物の科学
趣味/教育
植物の科学 第13回
「特化代謝と私たちの暮らし」
12月26日 木曜 18:00 -18:45 放送大学テレビ
植物は、自身の置かれた環境の変化に対応するため、また他の生物とのコミュニケーションのために、多種多様な特化代謝産物を作っている。それらは生命の維持に必要不可欠というわけではないが、環境適応や生態学的な相互作用において重要な役割を果たしている。特化代謝は、植物が進化の過程で獲得してきたものであり、ある特定の種や属、あるいはより高次の分類群に特徴的に見られる。
特化代謝産物の化学構造は極めて多様であり、それは植物が持つ生合成酵素の働きによってもたらされる。人間は、植物の作る特化代謝産物を薬や色素などとして古来利用してきた。現在では、バイオテクノロジーによって植物の生合成経路を改変して有用物質の効率的な生産を目指す研究もある。この回では、特化代謝について、私たちの暮らしとの関わりという視点を交えて扱う。
-
キーワード
多様性、環境適応、生物間相互作用、遺伝子発現、トランスクリプトミクス、メタボロミクス
-
出演者
理化学研究所チームリーダー 平井 優美