ドキュメンタリー/教養
<FNSドキュメンタリー大賞>命のはざまで 〜ゆりかごと内密出産〜
ゆりかご開設から17年が経過した今、救われた命が自らの生い立ちと向き合い始めている。
11月25日 月曜 1:05 -2:00 福井テレビ1
年間約1500人の赤ちゃんが誕生する産婦人科を中心とした医療機関、熊本市にある慈恵病院には日本国内の病院の中で唯一存在するものがある。親が育てられない赤ちゃんを匿名でも預かる「こうのとりのゆりかご」、いわゆる赤ちゃんポストである。慈恵病院が「赤ちゃんの遺棄・殺人を防ぎたい」と開設を表明し、熊本市が設置を許可して2007年に開設された。
当初から指摘されていた
「母親の匿名性」と「子どもの出自を知る権利」の両立は可能かという課題は立ちはだかったままだが、開設から17年が経過し、初期に預け入れられた赤ちゃんは思春期を迎えており、救われた命が自らの生い立ちと向き合い始めている。
慈恵病院は母子の安全な出産を確保したいと2021年に「内密出産」も導入した。慈恵病院が24時間365日対応し、予期せぬ妊娠に苦悩する女性に寄り添う中から生まれた新たな取り組みである。
番組では、「ゆりかご」「内密出産」に取り組む慈恵病院の蓮田健理事長、慈恵病院で内密出産を行った女性、そして「ゆりかご」に預け入れられ成長した10代の少年を取材。人が生きていくうえで「生い立ち」や「出自」というものがどのような影響を与えるのか、それぞれの当事者の話から解き明かしていくとともに、「ゆりかご」の扉の先にある子どもたちの未来を考える人々の姿に迫る。