植物の科学

趣味/教育

植物の科学 第5回

「発生・成長(3)根」

10月31日 木曜 18:00 -18:45 放送大学テレビ

根は、土壌から水分や無機塩類を吸収するとともに、地上部を物理的に支えている点で、植物の生育にとって重要な役割を担う。一般に植物の根系は、一次根、側根、不定根などから成り立っている。一次根は、胚発生の段階で作られた幼根が発芽後に成長した根である。また、一次根や、すでにできた根から側根が2次的に形成され、地上部シュート器官からも不定根が作られる。
これらの根の長さや太さ、側根や不定根の出る場所や頻度は、種によって遺伝的にある程度決まっているが、生育環境の影響も大きく受ける。この点で根は可塑性を示す器官である。 この回は、根の多様性やその構造と働きについて紹介するとともに、根の成長と発生に注目し、側根の形成、根の重力屈性反応などを取り上げ、それらの仕組みについて植物ホルモンの働きとともに扱う。

  • キーワード

    根端分裂組織、放射パターン、側根、オーキシン、重力屈性

  • 出演者

    神戸大学大学院教授 深城 英弘