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ドキュメンタリー/教養

映像’24「13歳の死 届かなかったSOS」🈑

「誰もわかってくれない。息子の存在もなかったことにされている」口を閉ざす教育委員会や学校と闘ってきた母・千栄子さん。13歳の少年の死が私たち大人に伝えることとは…

10月27日 日曜 5:00 -6:00 MBS毎日放送

映像’24「13歳の死 届かなかったSOS」🈑

助けを求めていたのに救われなかった13歳の少年がいる。2022年3月、大阪府泉南市で中学1年生の松波翔さんが自ら命を絶った。翔さんは学校にいじめを訴えていたが、教師に信用してもらえず不登校になっていた。  
私たちが母親の千栄子さん(50)の取材を始めたのは、翔さんが亡くなって1か月後。「誰もわかってくれない。息子の存在もなかったことにされている」千栄子さんには当時頼れる場所がなく、あらゆる機関に相談しても受けあってもらえず、「たらい回し」にされていた。教育委員会は、翔さんが亡くなって4か月もの間、その事実を審議せず放置。中学校のクラスメイトは、亡くなった事実さえ知らされていなかった。  
翔さんの足跡を辿ると、行政や民間の複数の相談窓口に苦しみを自ら訴えていた。だが、誰も直接会って話を聞いてくれることはなく、解決にはつながらなかった。翔さんは次第に教師や大人のことを偽善者と呼ぶようになったという。死後、口を閉ざす教育委員会や学校と千栄子さんは闘ってきた。その姿を私たちもカメラで記録し続け、撮影時間は約8000分に及んだ。  
深い悩みを抱え孤立する子どもを救うために何が必要なのか。先進的な取り組みを行う自治体を取材して見えてきたのは小さな声に耳を傾けて問題の解決を図ろうと奔走する姿だ。13歳の少年の死が私たち大人に伝えることとは…。