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伊豆おはな 〜家族をつくる介護タクシー〜

10月24日 木曜 20:00 -20:30 TOKYO MX1

熱海市伊豆山地区で、介護タクシー「伊豆おはな」を営む河瀬豊さん(53)愛美さん(47)夫婦。「おはな」はハワイ語で「家族」。家族のように利用者に接したいという思いを込め、高齢者や体の不自由な人々の送迎をしています。
東京都出身の豊さんと、神奈川県出身の愛美さんは「海」と「イルカ」が好きという共通点から出会い、結婚。海の近くに住みたいと、これまで縁のなかった熱海に週末移住し、目にしたのが、日常的な外出すらできない人たちの姿でした。
熱海市は65歳以上の高齢者が5割近くを占め(2023年6月時点)、急な坂や数百段の階段、車が入れない細い道が多くあります。一般的なタクシーでは、階段や細い道を車いすのまま運んだりすることができず、通院のために救急車を呼ぶ人も少なくありません。買い物や家族との食事など、ちょっとした外出ですら諦めなければいけない人も多くいます。
小学4年のとき、全身70%のやけどを負い、外出できない苦しみを味わったという豊さん。熱海で暮らす高齢者の現状に、当時自分が助かったのは、同じように外出できない人を助けるためだったのではないかと気づき、介護タクシーの会社を立ち上げました。
会社設立から8年目の2021年7月、熱海市伊豆山地区を襲った土石流災害。土砂は家屋を押し流し、28人が亡くなりました。「伊豆おはな」も所有の介護タクシー1台が押し流され、事務所にも戻れない中、河瀬夫婦は住民12人の避難を手伝いました。 未曾有の災害はふたりに後悔の念を残しました。 「もっとできることがあったのでは…」
土石流災害のあと、被災した住民の居場所をつくるため、事務所のガレージで無料カフェを開いたり、仕事の合間を縫って住民の買い物を手伝うようになりました。もっと多くの住民を助けられるよう、住民ひとりひとりの家や体調を把握するためです。また大雨の日には住民避難に備え、事務所に泊まり込むようにもなりました。 介護タクシーの利用者だけではなく、地域住民も大切な家族。家族の輪を広げていく夫婦の姿を見つめます。

  • 出演者

    【出演】 河瀬 豊(伊豆おはな)、河瀬愛美(伊豆おはな)、天野栄子(利用者)、磯崎光男(利用者)、武内トシ子(利用者)、石川光衞(利用者)、佐竹純一(tomorrow’s stand YUGAWARA) 【ナレーション】 近江由佳(静岡放送アナウンサー)