剣客商売 第1シリーズ

ドラマ

🈑<時代劇>剣客商売第1シリーズ 9話「天魔」

時代と逆行して剣で暮らしを立てる親子・秋山小兵衛と大治郎の、時に厳しくほほえましい関係を描く大人気時代劇をお届け!

10月17日 木曜 18:30 -19:25 BSフジ・181

秋山小兵衛(藤田まこと)の前に、笹目千代太郎(片桐光洋)という異様な雰囲気の若い男が姿を見せた。顔だちは整っているのだが、髪は総髪で派手な衣装である。腰には鉄の芯が入った特殊な木刀を下げている。千代太郎は全国を武者修行し、八年ぶりに江戸へ帰ってきたと小兵衛に言った。「化け物が…舞い戻ってきた」と小兵衛は吐息をついた。  話は二十年前にさかのぼる。
千代太郎は小兵衛が四谷で道場を開いていた頃の弟子・笹目庄平(島田順司)の息子で、幼い時から異様に身が軽く、類まれな剣術の才能の持ち主だった。しかし精神的にはどこかおかしく、ある日、父に叱られ咄嗟に天井にまで飛び上がり、父の頭を強く蹴ってしまう。父は大けがを負いながら小兵衛を訪ね「あれは伜ではない。魔性の生き物だ。斬って下され」と混濁した意識の下から言い、やがて息絶えた。
その後、千代太郎は行方不明になったのである。  小兵衛と再会したのは八年前である。その時千代太郎は「自分の体内には韋駄天が宿っている」と言って小兵衛に勝負を挑んだ。「魔物に魅入られたか」と小兵衛は思い、千代太郎の隙を見て道場の羽目板に叩きつけて失神させたが、殺すことは出来なかった。きつく縛っておいたのだが、千代太郎はいつのまにか縄目を解いて脱走していたのだった。
帰って来た千代太郎は、これから江戸の道場荒らしを行い多くの命が落とされるだろう。そう危惧した小兵衛はあちこちに手紙を書くのだったが…。