ドキュメンタリー/教養

テレビ寺子屋 #2393

「子どもの幸せ」
大豆生田啓友(玉川大学教授)

9月22日 日曜 5:30 -6:00 仙台放送

テレビ寺子屋 #2393

子どもが「幸せな状態(ウェルビーイング)」でいるために、生まれる前(妊娠期)から小学校入学前までの100カ月間の育ちがとても大切です。乳幼児期に幸せ感を感じていることが、その先大人になった時、つまり未来の国や社会の幸せにも繋がっていきます。では、どうしていけばよいのでしょうか。「こども家庭庁」が示している5つのビジョンのうちの一つが『安心と挑戦の循環を通して子どものウェルビーイングを高める』です。
乳幼児期の育ちにとって「安心」と「挑戦」が重要な働きをします。「安心」とは「心の安全基地」です。「自分が自分らしくここにいて大丈夫なんだ」と思えること。子どもたちは好奇心とともに不安もいっぱいです。でも、自分が本当に安心できる特定の大人に不安な時にいつでもしがみつける関係があることで、「自分は大丈夫」と思える。そういう関係性を「アタッチメント(愛着)」と言い、人が育つ時に最も大事な根幹になります。
アタッチメントを担える人は「親」だと言われてきましたが、例えば園に行ったら、そこに社会があるわけです。大好きな保育士さんが「大丈夫、安心するまで抱っこしてあげようか」などと安全基地ができれば、「もう大丈夫だ」と、自分から他のところに行こうということも出てきます。親、祖父母、そして保育者や友達、社会のいろんなところに安全基地ができることが、子どもが次の「挑戦」に向かうことに繋がるのです。