ドキュメンタリー/教養

テレビ寺子屋【あなたは、守られていますか?/落合恵子】#2397

「あなたは、守られていますか?」
落合恵子(作家・クレヨンハウス主宰)

9月21日 土曜 5:30 -6:00 OHK

テレビ寺子屋【あなたは、守られていますか?/落合恵子】#2397

私たちはみんな、人種や肌の色が何であろうとそれぞれ違いを持っていて、その違いを大事にし合う、違いが差別の理由にならない社会を作っていくことが最も大切なことだと思っています。平和のためにも基本的人権を守っていくためにも、ぜひ一緒に考えてください。アメリカのルビー・ブリッジズさんが書いた「ルビーの一歩」という本があります。ルビーはその町の白人だけが通う小学校に6歳で入学した時に、様々な迫害を受けます。
「学校に来るな」と。彼女が他の子と違うのはたった一つ、肌の色だけ。けれど肌の色は、選んでいないのです。多くの差別は、こんなふうに理不尽なものです。どの国で起きたとしても理不尽です。きっちりとした説明などできないのです。これはもう60年近く前の出来事ですが、残念ながらいまだに変わっていません。 私が尊敬する大好きな詩人、石川逸子さんの「風」という詩があって、その中に次のような言葉があります。
『遠くのできごとに人はうつくしく怒る』私たちの国もありませんか?遠くの出来事には美しく怒ってみせる私たちが、目の前にある差別には距離を取ってしまう、目をそらしてしまう、知らなかったふりをする。今、目の前にある差別にも「違うと思います」と手を上げることが可能でしょうか?可能でなければいけないのです。それが、私たち大人が、次の世代の子どもたちに贈ることができる大事なテーマだと思っています。