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ドキュメンタリー/教養

<FNSドキュメンタリー大賞>産声をあげた働き方改革 〜医療現場のジレンマ〜

2024年に始まった医師の働き方改革。医師不足に悩む新潟県の医療現場にも影響をもたらしている。葛藤を抱えながらも地域のお産を支えようと取り組む産婦人科医を追う

9月13日 金曜 1:20 -2:15 さんいん中央テレビ1

「故郷で産みたい」そんな妊婦の思いにこたえ、親子で地域のお産を支える産婦人科医がいる。新潟県十日町市にあるたかき医院の医師だ。たかき医院は、2024年4月に地域唯一の産院となった。 変化の背景にあるのが「医師の働き方改革」である。隣接する津南町を含む十日町・津南地域の中核的な役割を果たしてきた新潟県立十日町病院は、勤務医の労働時間に上限が設けられたことでお産への対応が難しくなり、分娩を休止すること
が決まった。責任が増すたかき医院だが、存続が危ぶまれる厳しい現実に直面していた。地域の出生数が急激に減り、赤字経営が続いているのだ。さらに院長が高齢のため、今後も地域のお産を支え続けていくためには新たな医師を探す必要があるが、その分人件費がかさむことになる。 そもそも広い県土を持つ新潟県は、医師の充足度が全国ワーストクラスだ。特に労働時間が長いとされる産婦人科医はこの20年間でほとんど増えておらず
、診療科の偏在も課題となっている。 県内で最も多い年間900件のお産を取り扱う長岡市の立川綜合病院では、夜間に分娩に対応した医師も平日はそのまま朝から外来業務や手術にあたらなければならない。安全な医療を提供するためには休息が必要だと医師自身も感じている。しかし限られた人数、限られた労働時間でどう医療体制を維持していくのか…出産を支える医療現場に現実を突きつけた医師の働き方改革について考える。

  • スタッフ

    プロデューサー:杉本一機  ディレクター・ナレーション:杉山萌奈  構成:丘山慶  編集:中島茂雄  MA:佐藤誠