ドキュメンタリー/教養

LIFE〜夢のカタチ〜🈑 仏壇店の五代目が作る漆を塗ったアウトドア製品が大人気!

滋賀県長浜で200年以上続く仏壇店の五代目が作る、漆を塗ったアウトドア製品が大人気!軽くて丈夫、耐水性と抗菌性に優れた漆はキャンプ道具に最適。新しい試みも次々と!

7月6日 土曜 11:00 -11:30 ABCテレビ1

LIFE〜夢のカタチ〜🈑 仏壇店の五代目が作る漆を塗ったアウトドア製品が大人気!

5月に開催されたとあるキャンプイベント。そこには漆塗りのキャンプ道具が並び、訪れた人たちの注目を集めていました。主催したのは、漆のアウトドアブランド「GNU」を手掛ける漆塗り職人。実は彼、滋賀県長浜市で200年以上続く、仏壇店の五代目なのです。漆の素晴らしさを多くの人に知ってほしい!」その一念で始めたのは、業界の常識を覆す大胆過ぎる活動でした。
1807年から仏壇・仏具の製造を手掛ける「カネイ中川仏壇」。その若き五代目が、今回密着する中川喜裕さんです。長浜の仏壇作りは7工程に分かれ、中川仏壇店が手掛けるのは、漆塗、金箔押、組み上げ。漆塗り職人は「塗師」と呼ばれます。刷毛は人毛。中川さんの仕事ぶりを見てみましょう。
仏壇修理の次に取り掛かったのは、GNUのアウトドアグッズでした。漆は軽くて丈夫、耐水性と抗菌性に優れているので、キャンプ道具に最適。人気の製品をいくつか紹介します。中川さんは、両親と妻、子ども2人の6人家族。四代目の父は現役の塗師です。大学卒業後、各地の仏壇店で修業を始め、2017年に実家に戻ります。
当時、仏壇の需要は激減しており、コロナ禍で増々ピンチに。キャンプ好きだった中川さんは、自分のナイフに漆を塗っていて、この良さを皆に伝えたいと、SNSに「アウトドアナイフに無料で漆を塗ります」と投稿。すると、大量のナイフが届いたのです。
同業者からは「高価な漆を無料でばらまくなんて言語道断」と凄まじい非難が。しかし、頑固一徹な父は何も言いませんでした。ひたすらナイフに漆を塗る毎日。すると、ナイフを受け取った人たちから感動と感謝の声が届き、2021年4月、GNUを立ち上げたのです。
漆の魅力を情報発信する中で、始まったプロジェクトがあります。病院の看護師から「NICU新生児特定集中治療室では抗菌性の問題で、子供が遊ぶ木のおもちゃが持ち込めないが、抗菌性の高い漆を塗れば大丈夫」と依頼され、SNSで漆塗り仲間を募集したり、製茶問屋と「アウトドアで日本茶を楽しめる漆の器」を企画したり。中川さんの挑戦はまだまだ広がり続けます。

  • ◇ナレーション

    佐々木蔵之介

  • ◇おしらせ

    この番組は、ABCテレビの『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。