• この番組の放送は終了しました

ドキュメンタリー/教養

FNSドキュメンタリー大賞 58年 その先に-袴田事件と再審法-

58年前に起きた「袴田事件」の再審は2024年5月に審理が終結。無罪の公算が大きい▼弟の無実を信じ続けた姉▼なぜこれだけの年月がかかったのか▼再審法の不備とは

6月26日 水曜 4:29 -5:25 関西テレビ1

1966年、当時の静岡県清水市でみそ会社の専務一家4人を殺害したなどとして死刑判決が確定した袴田巖さん(88)。事件発生から57年が経った2023年10月、戦後5例目となる死刑事件の再審公判=やり直しの裁判が静岡地方裁判所で始まった。2024年5月22日、弁護側は無罪を主張した一方で検察側は改めて死刑を求刑。判決は9月26日に言い渡される見通しだ。無罪の公算が大きいとされている。
しかし仮に無罪となったとしてもそれで終わりではない。48年に及ぶ拘置所生活で袴田さんは精神を病み、法廷に立つことはもちろん、意思の疎通を図ることすら難しい。なぜ58年もの年月がかかってしまったのか。事件にかかわった裁判官・検察官・警察官・弁護士、それぞれの証言と過去の審理記録から見えてきたのは法の不備。いわゆる「再審法」は75年にわたって一度も改正されておらず、証拠開示に関する規定もなければ、
審理の進め方について具体的に定めた規定もない。 58年間、弟の無実を信じ続けた姉・ひで子さん(91)は言う。「弟の体をもとに戻せとは言わない。拘置所にいた巌の48年間を何とかいい方法に利用してもらわなきゃしょうがない」。各地の講演などで訴えるのは「再審法」の改正だ。無罪を勝ち取るために闘った姉と弟の58年、そしてその先に見据えるものとは。

  • 出演者

    【ナレーション】 佐藤朱(青二プロダクション)

  • スタッフ

    【プロデューサー】 中川慎也 【構成】 橋本真理子 【ディレクター】 福島流星 落合健悟(テレビ静岡) 【撮影】 杉本真弓 小澤裕将 青島慶人(富士テレネット) 【編集】 高松大介 【効果】 山下実夏(富士テレネット) 【デザイン】 藤田有里加(富士テレネット)