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ドキュメンタリー/教養

テレビ寺子屋 #2381

「コロナ時代のコミュニケーション術」
笠井信輔(フリーアナウンサー)

6月23日 日曜 5:30 -6:00 仙台放送

テレビ寺子屋 #2381

56歳の時にフリーアナウンサーに転身した直後、「悪性リンパ腫」ステージ4と診断され、4カ月半入院。身体からがんがすべて消えた「完全寛解」という状態になり4年が経ち、今は経過観察を続けています。がんを経験し、いろんなことに気づかされました。令和の医療では患者は「今どういう状況で、どうしたいのか」ということを、自分からも細かく医師や看護師に伝える必要があります。「QOL=生活の質」を上げるためです。
例えば、痛いと当然生活の質は下がります。しかし、医師が「痛みは?」と聞くと、昭和世代の患者は大概「おかげさまで」と言うのです。「治療して薬ももらっている、我慢できなくなったら伝えよう」と。医師はそれが困ると言います。今は痛みを緩和する薬もバラエティに富み、患者がどういう痛みなのかによって処方する薬も全然違うからです。「自分のことを素直に医師に伝える」というこのコミュニケーションが、とても大切です。
もう一つのコミュニケーションの問題は、「孤独」でした。私はコロナ第一波で入院したため、面会はほぼ禁止。この孤独というのは入院した人にしかわからない。力になったのは病室のインターネット環境でした。外の人ともつながれ、ニュースなども見ることができ、とても気分が上がりました。さらに「オンラインお見舞い」。友達が全国から私のスマホとつないで集まってくれ、顔を見ながら話す。これが本当に力づけになったのです。