ドキュメンタリー/教養

テレビ寺子屋

もう褒め方を学ばなくていい
沼田晶弘
(東京学芸大学附属世田谷小学校教諭)

5月5日 日曜 5:30 -6:00 AKT秋田テレビ1

テレビ寺子屋

「子どもを褒めて伸ばしましょう」と、よく言われています。褒めないと自己肯定感が下がり自信がなくなって、何もできなくなってしまうのではないかと恐れ、「なんとか褒めないと、褒めたほうがいいに違いない」と、褒める。本来「自己肯定感」とは、「成功だけではなく、失敗したこともすべて受け入れて自分を肯定できる力」のはずなのに、なぜか失敗すると自己肯定感が下がると感じている人がかなり増えているように思います。
自己肯定感を高めるために、何でも褒めていいのでしょうか?こんな投稿を見たことがあります。「運動会、うちの子は練習したけど3位でした。だけど、頑張ったからママの中では金メダルだよ!」3位は、ママの中でも銅メダルであってほしい。金メダルに変えてはダメなんです。なぜなら、銅メダルは悪いことではないから。勝負したから負けたのです。でも、「自己肯定感が下がってしまう」と思い、すかさず金メダルに変えてしまう。
それでは、ちょっと失敗したら「もうダメだ」という大人になってしまいます。 では、「褒め方」はどうしていけばいいのでしょうか。実は、人間には「褒める力」が標準装備されています。良いものを見たら「いいね!」という力はすでに持っているのです。でも、日本では褒められた時になかなか嬉しそうな顔ができない人が多いように思います。つまり、必要なのは「褒め方」ではなくて、「褒められ方」の練習なのです。