劇場/公演
こまつ座「夢の泪」【TV初放送】 ▼ラサール石井
【'24年公演舞台プレイバックSP】
戦争の責任は誰にあるのか、東京裁判は何を裁いたのか。井上ひさしの重喜劇。(2024年4月6日〜29日 紀伊國屋サザンシアター)
165分
12月1日 日曜 18:30 -21:15 衛星劇場
『夢の泪』は井上ひさしが新国立劇場のために書き下ろした「東京裁判三部作」の第二作目。「戦争」そして「東京裁判」を当時人々の生活を借りて見つめ真実を問うた作品。
日本人として避けては通れない硬質な問題を提起しながらも、笑いと音楽をふんだんに盛り込み、数々の名曲を生んだこのシリーズ作品の一作を、初演から20年以上を経た2024年、こまつ座での初上演を収録し放送します。
昭和21年4月から6月にかけて、新橋駅近く、焼け残りのビルの1階にある「新橋法律事務所」。弁護士・伊藤菊治は、7回も司法試験に落ちたものの女性弁護士の草分けで腕利きの秋子と結婚、亡父の開設した法律事務所での仕事に追われる毎日。だが唯一の欠点でもある、女性に弱いことが原因で2人は離婚寸前。継父を慕う秋子の娘・永子は、両親や敗戦後の日本人の行く末に不安を感じている。
そんな事務所では、復員兵で夜学に通う田中正が住み込みで働くことになるが、どうも永子を秘かに想っているらしい。永子の幼なじみの片岡健も恋文をもって現れる。健の父親は新橋を仕切るやくざに対抗する朝鮮人組長で、どうやら重傷を負ったらしい。と、隣の第一ホテルの将校クラブで歌うナンシー岡本とチェリー富士山が乱入してきて、お互いの持ち歌の著作権を争って大喧嘩、決着をつけてもらおうと飛び込んで来たのだった。
そんな折、秋子が東京裁判においてA級戦犯・松岡洋右の補佐弁護人になるよう依頼されて事務所に戻ってくる。事務所の宣伝のため、とりわけ秋子との関係修復のため、菊治も勇んで松岡の補佐弁護人になることに。亡父の仲間だった老弁護士・竹上玲吉に細かい民事事件などを手伝ってもらうことにしたのだが、こと東京裁判に関しては、裁判そのものの意味や弁護料の問題など難問が山積みで…